< サムイ・パタヤ旅行記 第19編 >
風邪に効く薬は、よく食べてよく寝ることである
帰国前日、喉が痛く風邪の症状が出ているが、栄養を取るために夕食に出かける。
夕食の前に、空港までのタクシーを予約しておいた。
いつものおばちゃんのところで、空港まで1000THBである。
肉を食って精力を付ける
ガッツリ食べることはできないが、ちゃんと栄養を摂取しなければ風邪が悪化してしまう。
そこで向かった先は、ソイレンキーにあるステーキハウスである。
Steak & Co
パタヤは安くておいしいステーキが食べられるのである。
これまでパタヤに来るたびにステーキを食べていたが、残念ながら今回は食欲がなく、ハンバーガーにしてしまった。
Wagyu Cheese Burger with Hand Cut Potato Wedges
和牛チーズバーガー と ポテト
このハンバーガーは、炭火で焼かれたパティは抜群においしかった。喉が痛いのを忘れて食べられるおいしさである。
知人はステーキをおいしそうに食べていた・・・炭火焼きのステーキが食べられなかったのは非常に残念である。
いや、ただ・・・無念だ。
里見へ
この手紙をもって、僕のパタヤでの最後の仕事とする。
まず、ステーキを焼くために、牛の解剖をお願いしたい。
以下に、調理法についての愚見を述べる。
ステーキを焼く際、第一選択はあくまでミディアムという考えは今も変わらない。
しかしながら、現実には僕自身の場合がそうであるように、発見した時点でウェルダンまで進行した症例がしばしば見受けられる。
その場合には、クレームが必要となるが、残念ながら未だ満足のいく成果には至っていない。
これからのステーキ調理の飛躍は、鉄板焼き以外の調理法の発展にかかっている。
僕は、君がその一翼を担える数少ない医師であると信じている。
能力を持った者には、それを正しく行使する責務がある。
君にはステーキの調理法の発展に挑んでもらいたい。
遠くない未来に、癌による死が、この世からなくなることを信じている。
ひいては、牛の屍を解剖の後、君の研究材料の一石として役立てて欲しい。
屍は生ける師なり。
なお、自らステーキ評論の第一線にある者がステーキを食すことができず、帰国の途につくことを、心より恥じる。
財前五郎
さて、明日は帰国である。
つづく・・・